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最新香りインタビュー
パルファムインタビュー
毎号最新の香り情報を直接PR担当の方や発売元の代表者に新作情報をお聞きするページです。
新しい香りの紹介だけでは終わらない香水の哲学やこだわりをお伺いするページです。
新しい香水チェックに役立ててくださいね!
2022年2月9日
チャンスがなくてなかなかユーチューブしなかったのですが。コロナ禍でさらにみなさまと繋がれたらと思い開設しました。ぜひ見てくださいね!
アドレスはコチラ
www.youtube.com/watch?v=FHfxH95mL8s
感想やご意見などお寄せください。今後のお希望などありましたらコチラにshu@abst-takagi.com
2014年8月5日

セルジュ・ルタンス レーヌ ドゥ ヴェール
鋭く美しい香り
香りは現実世界ではなく、心象風景を映す作品です。
その哲学を見事に香りのクリエーションに込めた香りが誕生しました。
孤高の哲学者、迷宮の世界に住む魔術師。セルジュ・ルタンスが紡ぐ香りには心奪われます。
ここ何年かローシリーズが続いていて、水がテーマになっていますがそれぞれ単なるそれこそ瑞々しいだけの香りではなく。セルジュ・ルタンスだけのローですね。
水のシリーズ第一弾「ロー セルジュ ルタンス」が発売された時、「なぜ今さ ら水なのか?」というお問い合わせをたくさんいただきました。セルジュ・ル タンスには「このクリエーションは過剰な香水の匂いに満ち溢れたこの世界に 対する反発だ」という強い意志があり、この香りをアンチパルファムと位置付 けました。ラグジュアリーの原点である“清潔さ”を表現した香りです。2作目 「ローフォアッド」は“そよ風が震えるように”冷たい水という意味で、乳香 をふんだんに使った神秘的、個性的な香りです。
今回2014年の最新作のレーヌ ドゥ ヴェールの香りも言葉を失うと言うのでしょうか、心の奥に響く香りで驚いています。
初めにこのフレグランスのキーワードを聞いて驚きました。“メタル”・・・。日本でもオーガニックブームですし、リラックスする、癒される香りを求める方が多い中で“メタル”とは何とアンチなことかと。ルタンスは私たちを、お花畑や宮殿にはいさせてくれず、一体何処へ連れて行こうとしているのでしょうか。「レーヌドゥヴェールは二つの相反するものが遭遇しながらも、お互いを補完している。」メタルとカシミア、鋭さと優しさ、を例に出し、自身の中のもう一人の自分との交差するストーリーを持っています。相反するから、異なるからこそ出会えるもう一人の自分と、ある瞬間にすれ違う。常に革新的な創作活動を続けるルタンスが、新しい次の世界を見せてくれているのだと思います。
矛盾するテクスチャーから想像する香りのコンセプトを見事に表現するセルジュ・ルタンスはやはり香りの魔術師ですね。故知れぬ痛みというかこころにかすかに引っかかる魅惑的で神秘的な部分を香りで表現しまうところがスゴイ!という他ありません。美しく響くネーミングも素晴らしいです。
マルチな才能を持つルタンスですが、最近は読書と物書きに集中しているようです。彼の詩はフランス人にさえ難解な文字の洪水。重複し反復しあう言葉、掛詞、ごろ合わせ・・・慎重に注意深く解読する際にはセンスも伴わないと紐解けない仕掛けです。いじわるですね。レーヌドゥヴェールは直訳するとガラスのウール。そして絶縁体という意味も持ち合わせます。 自身のフレグランスを「小説」と言い、香調名は物語のタイトル。ページを開いた(香りを付けた)瞬間から、その人と物語との永遠のストーリーが紡がれていくのだと。イマジネーションが広がりますね。
ガラスのウールというネーミングは難解で矛盾するような意味ですが、心の深層に響くのが本来の香りの姿で、心はそもそも矛盾するものなのでそういう意味で究極の美を求める仕事をするセルジュ・ルタンスらしいネーミングですね、今回のレーヌ ドゥ ベールの香水ボトルに描かれている書体も鋭角的でドキッとします。もちろん極限まで削ぎ落とされたボトルも・・・。
「レーヌドゥヴェール」はメタリックな自転車のハンドルやスポークがイメージされています。スポークとは車輪を支える放射線状に広がるメタル部分のことで、書体にもデザイン化されているのが解ります。ボトルもラベルも出来る限りシンプルにしたいと望むのは、付ける人たちにこの物語への余計な思い込みを与えないことへの配慮です。すべて同じボトルに、凝縮された物語が詰まっています。

町田淑江さん
(株)ザ・ギンザ 広報
2014年3月31日

サムタイムジャーニー アルカディア
香りはいつも私たちをまだ見ぬ所へ誘います。現実からファンタジーの世界へ時間や場所を超えて楽しませてくれるのです。ロングセラーを続ける人気のサムタイムシリーズに2014年さらに新たなファンタジーの物語が登場です。
旅の始まりはアルカディア(理想郷)から・・・。
今迄50万本も販売されている、人気のサムタイムシリーズですが、2014年さらにファンタジックな旅を予感させる香りのラインが発売なのですね。待ってました!という感じです。ご存知の方も多いのですが、改めてサムタイムシリーズについて教えてください。
累計販売本数50万本のサムタイムシリーズは、発売以来、その親しみやすい香りでファーストフレグランスとしても人気があり、長年支持されてきました。宝箱のようなパッケージが特徴的で、その可愛さと香りから10種類以上のシリーズが展開されオシャレな女の子の気持ちを掴んできました。代表的なものとしては、初恋をコンセプトにした『サムタイムウィズシークレット』それに続く、運命の二人の出会いの涙をイメージした『サムタイムハッピーティアーズ』、ほかにも、『サムタイムインザモーニング』『サムタイムヴィヴィト』などがあります。そんなサムタイムシリーズから、コンセプトを一新した今回の『サムタイムジャーニーシリーズ』。それぞれのシリーズ同様、たくさんの方に愛されるシリーズになって欲しいですね。
空想を旅する!というテーマなのですね。気分が瞬間移動する香りにもっともふさわしいコンセプトですね。そんなサムタイムジャーニー アルカディアの香りを知りたいです。
サムタイムジャーニーメインプロダクトの『アルカディア』はバニラベースの甘い香りで、どこか新しいような懐かしいような場所に来た気持ちになるようなフレグランスです。トップノートはゼスト、オゾン、チョコレート、ココナッツ、ミルクで爽やかさとアジアのお菓子のような甘さが混じり合う心落ち着く香りで始まります。ミドルノートではチュベローズ、ジャスミン、ミュゲの白い花の香りが広がり、華やかな香りが広がります。ラストノートはオリス、サンダルウッド、オークモス、ムスク、バニラ、アンバーグリスの香りが加わり、深みを増した温かみのある印象を残します。フレグランスの名前『アルカディア』=『理想郷』にぴったりの香りです。
ネーミングやボトルのイラストやパッケージもワクワクするような色使いで見ているだけでも楽しいですね。
三種類あるサムタイムジャーニーのシリーズは『空想の旅』をキーワードに、それぞれ三つの場所を女の子が空想を旅しているフレグランスです。すべてのパッケージに横顔のシルエットが描かれ、旅をしている女の子を表しています。 サムタイムジャーニーのメインフレグランスとなる『アルカディア』は『理想郷』『理想的田園』という意味を持ちます。名前の通りアルカディアは『自分の思い描く理想の場所』をイメージして作られました。東南アジアの暖かい国を思わせるような象や色とりどりの花々が描かれており、見たことはないけれどどこか懐かしい場所が広がっています。 さらに、ボトルの後ろにもそれぞれの絵が描かれており、正面から覗くと、キラキラしたグリッターの香水の向こうにその情景が楽しめます。とってもかわいいので、パッケージもボトルもインテリアとしても置いておきたくなりますね。
河野さんはどのようにサムタイム アルカディアをご愛用なのですか?
アルカディアはバニラがベースの甘い香りなので、落ち着きたい時によく使います。どこかアジアお香のような香りがするので、寝る前に少し部屋を暗くして使うと、どこか異国に来ているような空想を広げることもできる気がしますね。また、ボトルを覗くと花々や象が描かれており、見ているだけでもどこか象がいるような国に行っているような気分になりますね。ボトルを持ち運べない時にはアトマイザーに入れ替えて、落ち着きたい時にひと吹きすることもあります。サムタイムジャーニーのシリーズはほかにも『イントキシケイト』『チャンティング』の全部で三種類あるのですが、芳醇な花の香りの『イントキシケイト』は夜におすすめの香り、爽やかな『チャンティング』は朝におすすめの香りだと思います。ボトルの液体のなかにはキラキラするグリッターも綺麗で、使うたびにスノーボールのように動かしてみたくなりますよ!デザインがすごく繊細でかわいいので箱とセットで並べてみたり、インテリアとしてもオススメです!

河野 衣里奈さん
(株)メイクアップ 商品部 マーケティング・ブランド開発グループ
お問い合わせ先 06-6977-3121
www.makeup-inc.com
2013年12月30日
1992年以来のロングセラーを続ける「ラグーナ オード トワレ」に新たな愛らしい香りが加わりました。パルファム168号掲載のインタビューページから一部掲載します。

イティズドリーム オードトワレ
フランスで1983年サルバトール・ダリの香りが発売され、その後日本で1992年「サルバトール・ダリ ラグーナ オードトワレ」が紹介され愛用者が一気に増えましたね。
A 「ラグーナ」は、パイナップルやレモンなどがふんだんに使われているトロピカルなイメージの香りです。ダリのデザインした鼻と唇のボトルも注目されましたが、香りもフルーツやバニラが香る印象的なものでした。ダリならではのユニークな世界観と香りが多くの日本の女性の共感を得られたのではないかと考えています。
そして2013年ダリならではの個性に現代の感性がつけ加えられた夢の香り「イディズドリーム」が誕生したのですね。また新たな香り物語が始まりそうで、楽しみです。
女性なら誰でも好きなローズやヒヤシンスの香りが香りの中心になっていますが、ダリの香りですから、やはり一味ちがうフローラルノートに仕上がっています。この香りのいいところは、明るさやすがすがしさが感じられるところです。こういう香りは、自分でつけていても気分がいいですし、ほかの人がつけていると、その人のやさしさや女らしさを引き出してくれる気がします。トップノートは、リンゴ、ブラックカラント、グレープフルーツの組み合わせで、フレッシュ感いっぱいのつけ心地です。ミドルノートはキラキラした明るい印象で、ローズ、ピンクヒヤシンス、マグノリアのブレンドです。デリケートなやさしさが香り立ちます。ラストはフレッシュな印象を残したまま、暖かく女らしい残り香に。セダーウッド、ムスク、アンバーのハーモニーです。暖かさのある香りですが、甘すぎず、フレッシュすぎずの絶妙なブレンドになっています。
香水ボトルもサルバトール・ダリのシンボルとも言える唇がレリーフのように装飾されていて持っているだけでもウキウキしますね
この唇も、サルバドール・ダリの作品です。「シュールレアリストが使うメイ・ウェストの顔」の中の赤い唇型のソファが元になっています。ダリが30代の頃、当時のトップ女優メイ・ウェストに魅せられてこの作品が生まれました。この唇の造形はメイ・ウェストの唇に見立てたものですから、ダリにとって、これは女性を表わす象徴なのです。ダリはこのリップのモチーフを絵画だけではなく実際のソファにしたりするなど、様々な表現に登場させています。ボトル全体はころんとした丸みのある形で、手になじんで使いやすいとご好評をいただいています。ラインストーンをあしらったティアラのようなキャップが華やかさを添えています。
ローズとマグノリアの香りがフワリと香り立ち、これからの季節、暖かで優しい何だか幸福な気分にさせてくれますね。フレッシュなのにおだやかで優しい香りがします。これからの季節特におすすめの使い方など教えてください。
つける人のやさしさや思いやりを感じさせてくれるような穏やかな香りです。香り自体が心地よいものなので、身近にいつも置いて「自分の香り」にしていただきたいです。気にいった香りは、下着やストッキングなど、肌に近いところにスプレイしてください。外気に直接ふれないので、香りが長持ちして、からだ全体からふんわりとやさしく香り立ちます。出かける前に軽くひざの裏などにスプレイすると歩く動きとともに良い香りがします。また、華やかな席に出かけるときには、ハンカチなど、小物などに軽くスプレイするのもおしゃれです。ハンカチにスプレイしてお気に入りのバッグにいれておくと、バッグを開けた時に、いい香りがして気持ちがいいものです。ただ、フレグランスの香料には一般的に薄い色がありますから気になる方は、ティッシュやコットンなどにスプレイしていれておくのもいいと思います。

PAMインターナショナル 代表 山口久美子様
2013年4月28日

New パレチカ 2012リミテッド 天然ローズオットー精油2ml 10,500円(税込)
厳選したフレッシュなローズの香料だけ、収穫年の香りをお客様にお届けするというコンセプトのもと毎年発売されています。今回はそんなこだわりの香りを発売なさる理由とコンセプトについて、パレチカを監修なさった平野佐和さんにお聞きしました。
市場にはローズを中心としたさまざまな香りが発売されていますが、 なぜ新鮮なローズの香りにこだわり発売なさるのですか?
収穫直後に抽出されたフレッシュな香りの躍動感ゆえですね。 数百種の芳香成分で構成されるというこの天然精油ローズオットーのトップノートの華やかさは、まさに新鮮なダマスクローズから得られるものです。 このローズの存在に感銘を受けた株式会社元林の現社長からこの香りを生かす商品化の相談を受けた際、原産地のみならず収穫年も明示し新鮮な状態での限定数販売を私から提案しました。私自身もかつて、収穫から 1年以内の新鮮なローズオットーの香りに出逢い感激した経験があったからです。良質な本物に触れることで得られる美的感覚の拡がりや深いリラクセーション価値を実感していました。
新鮮なローズだけで創る香りならではの難しさと良さを教えてください。
多種香料が調香されたフレグランスではなく、単一天然香料ですから いかに原料植物が最適環境で生育し、栽培から精油蒸留〜出荷までが 熟練された人によって行われるかが第一の難関です。これをクリアで きる生産者と信頼関係を築き、輸入後精油が酸素で劣化しないように 窒素充填して適度な温度下で管理、翌年咲くローズから精油が得られ る前に市場に送り出すことが第二の難関でした。今年創業 104年目の ブルガリアの会社と創業 108年目の日本の会社により実現したのです。 自然からこのような香りが得られたからこそ、調香師の美意識が触発 され数々の名香が生まれたわけですから、その原点に触れる機会とな りますね。
2013年4・30日リニューアルとお聞きしていますが、その香りは昨年のローズの香料なのですね、またパッケージも美しく、ライフスタイルの中で楽しめる工夫がありそうですね、ぜひその説明もお願いします。
2013年のローズはこれから咲きますから、現時点で入手し得る最新の 精油は2012年産です。初年度は抽出直後発売を試みましたが、製造元 から少し香りを落ち着かせる期間が必要と言われたこともあり、夏の 高温多湿期や、低温で含有成分が固まりやすい冬期よりも春のデビ ューを選びました。毎年成分分析表を見ていますが年ごとに微妙に異な ります。 2012年産は各成分の比率のバランスが良く芳醇です。 精油原液は直接肌につけられませんし 1滴に花約 100個分の芳香成分 が含まれた強い香り。パッケージをリニューアルしたNew パレチカには ライフスタイルの中で気軽にローズの新鮮な香りを楽しんでいただけるよう 1滴たらすだけで周囲空間にふんわり漂わせられる香り皿や、衣服への 淡い移り香を楽しめるストラップなどの紙小物をセットしました。 インテリアとしてもお楽しみいただけるデザインを意識して制作しましたので、 ロマンティックな外箱とともに宝物にして頂きたいです。
【本件に関するお問い合わせ先】 株式会社元林 東京都中央区日本橋人形町 1-2-12 TEL.03-3639-3501 FAX.03-3639-3505 http://www.palechka.com/

『Palechka』パレチカ監修 平野 佐和 (Sawa,Hirano) さん
平野佐和さんプロフィール
CIデザイン会社企画担当、ファッション誌編集者を経て
プランナーとして香り文化の価値創造に携わる。
AEAJ 認定アロマセラピスト。
文化学園大学 現代文化学部 国際ファッション文化学科講師。
文化服装学院講師。静岡医療学園専門学校講師。